異文化理解

出版社:岩波書店
出版日期:2001/07
ISBN:9784004307402
作者:青木保

内容概要

青木保(1938年生まれ)は、文化人類学者。東京生まれ。東京大学大学院(文化人類学専攻)修了。大阪大学で博士号(人間科学)取得。大阪大学教授、東京大学教授を経て、政策研究大学大学院教授。著書に、『儀礼の象徴性』『境界の時間』『逆行のオリエンタリズム』『「日本文化論」の変容』『カルチャー・マス・カルチャー』『アジア・ジレンマ』『文化の翻訳』『憩いのロビーで』など。

作者简介

グローバル化、民族紛争、文化の越境など、文化についての見方や認識が複雑に入り
組んだ状況の中で、あらためて「異文化理解」について考え、その理解の有用性を論
じる。
【I 異文化へ向かう】
イデオロギーではなく文化という切り口で世界を理解することが20世紀最後の10年
で大きな主題になってきた。価値を形成し、人間の生き方を深く規定する文化を重く
捉え、その姿をきちんと見据えていかなければならない時代になった。
異文化に対しては憧れと軽蔑という二種類の接し方がある。「さまざまな異文化に
ついての憧れを何によるのか冷静に判断するとともに、大したことはないと片づけて
しまった文化についても、不当にも貶めて捉えてしまっているところがないかどう
か、改めて検討しなければならない」(40頁)。
【II 異文化を体験する】
自らのバンコクの僧修行体験をもとに、以下のようなことを説明する。「異文化を
理解する急所は境界の時間と空間である」(65頁)、「異文化自体が境界的である」
(66頁)、異文化を体験するとは異質な時間と空間を体験することである(67頁)、
異文化を理解することのひとつの意義は自文化を見直す機会になるということである
(73頁)、異文化理解の手がかりは儀礼である(74頁)。
【III 異文化の警告】
サイードが用いた「オリエンタリズム」という概念は大きな意味で異文化に対する
偏見を示す象徴的な言葉として使われてきた。異文化に対する無知や無知からくる偏
見は大きな困難・摩擦を生む。異文化へのアプローチに対する警告の言葉として「オ
リエンタリズム」は非常に重要である。
同様に、思考経済を助けるステレオタイプも過度の一般化という危険を伴う。
また、最近、グローバリゼーションと同時に、文明・文化の衝突(ハンチントン)
ということが言われる。しかし、どちらにも与せずに、その間を埋める異文化理解の
考えが必要である。
【IV 異文化との対話】
異文化理解には、自然的、社会的、象徴という3つのレベルがある。これらには共
通に理解できる部分と、その文化特有のものとして理解しなければならないものとが
あるが、象徴のレベルの理解がもっとも困難である。この象徴レベルこそその文化特
有の現象であり、かつ、文化の翻訳が困難な部分である。また、異文化理解は「遅い
情報」によって初めて理解できるという面がある(拙速は禁物)。
純粋な文化というものは存在しない。すべて混成文化であり、その混成度の違いに
注目することが異文化理解につながる。
文化を制するものは世界を制する。そして、現代ではさまざまな異質な文化をもつ
人々が集まらなければ、良い文化は育たない。
アジアでは伝統文化の破壊と喪失の反動として、自文化の発見が大きな課題として
浮上してきた。しかしここには自文化中心主義に陥る危険がある。大切なのは自文化
を通して異文化理解に到達することである。


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发布书评

 
 


精彩短评 (总计2条)

  •       所谓『异文化』,顾名思义,就是他者的文化、别人的文化。在全球化的今天,很有必要以国家为单位,进行多元文化的比较研究。
      
      作者是日本文化厅的厅长,对各国的文化都有很深的研究。在『文明的冲突』面前,他试图用亲身的经历和理论分析证明,各种文化的冲突其实可以避免,并达到相互理解、相互渗透的混合状态。基本上,作者对全球文化交流与冲突的未来,还是比较乐观的。
      
      我的看法正好相反。我以为,所谓『文明的冲突』其实终究不能避免。我持悲观的态度。
      
      我以为,人类最大的悲哀就是记忆既无法遗传,也无法移植,还会在产生的过程中出现各种累积性的误差。『文化』这个概念,尽管至今没有唯一的清晰定义,但不论何种『文化』均是根植在人类的记忆中。每个人都带着空白的脑袋和有限的记忆力来到世上,在生老病死的短暂过程中不断记忆与遗忘——『理解』须以『知晓』为前提,而『知晓』却受到有限的记忆力和记忆容量的制约——在这种前提下,要实现『异文化』之间的完全理解和包容根本就是天方夜谭——那几乎是比所谓共产主义更加有难度的事情。我只能说,所谓『异文化理解』只能是一种美好的设想,但不可能实现——理解万岁,但人类只能活到百岁。
      
      当然,作者的出发点是好的。毕竟在这个全球化的时代,我们需要多文化的交流,也就势必需要对各种『异文化』的理解——但,我们不能仅仅去理解,而是一定要以『竞争』的态度去面对,不仅要理解文化之间的差异,也要理解所谓『文化冲突』的本质——我这个说法,可能略带点文化保护主义的色彩,但在复杂多变的世界中,你如果不能保护自己,又何谈对他者施加影响。至少,我对『文明的冲突』是肯定的,并且坚信不疑。
      
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  •     坪井老师和作者是多年的朋友。年轻的时候去了泰庙当了半年僧人,果然成为思想的养料。小宝没有去成实在太可惜了。书里的道理看似简单,但是不是人人愿意花精力去做,即使做了做的方法不对,也不是人人都能成功到达异文化理解的第三阶段……所有领域的问题都是文化问题,它应该比其他更适合站在顶端。
 

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