敷田年治研究

内容概要

現在、武庫川女子大学助教授。専攻は近世文学・近代文学・国語学・書誌学古文書学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

作者简介

敷田年治が没したのは明治三十五年一月で、平成十四年は、百年祭にあたる。年治が伊勢の皇學館大学の創設にかかわり、久邇宮朝彦親王の台命を拝し学頭として尽力したことで、江戸時代に興った国学は近代教育機関のなかでも大きな意義を持ち命脈を今日に伝えることとなった。

はじめ、幕府の和学講談所の講師となったことを振り出しに、皇學館や家塾の百園塾で多くの門人を育成したが、個性豊かな門人たちの仕事ぶりも様々で、明治という日本近代化のなかでの彼らの活躍は、その一人一人見逃せないものがある。

本書は、広狭の意味で国学（神道・音韻・文法・和歌・古代法制・古典・思想・民俗）にすぐれた業績を数多く残した年治の伝記と著述を中心に調査研究したものである。さらに、年治という魅力ある人物を要として、幕末から明治期にかけての国学者や歌人の交流も浮かびあがってくるように門人たちにまで論及している。

また、本書には、新資料を多く紹介しており、敷田年治令孫（住吉大社宮司敷田年博氏）蔵の自筆資料、大阪天満宮神主家滋岡家の滋岡文書（現在・武庫川女子大学蔵）などの貴重な資料を載せてもいるが、本書を一覧することによって、幕末期から明治期の関西を中心とする国学・和歌の学芸壇・文雅壇を俯瞰的につかむことができようし、図版には短冊や肖像画などが豊富なことも従来なかった研究書として意義があろう。

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