佐渡金山殺人事件

内容概要

1966年、教科書を売り込むセールスマンを描いた「闇の顔」で第1回双葉推理賞の最終候補4編に残る。1967年、同作を改題・改稿した「空白の近景」で第2回双葉推理賞の最終候補4編に残るも、同じ作品を改稿して投稿したことに否定的な意見が多く落選する。しかし、同作は「偽りの群像」と改題され『推理ストーリー』11月号（現在の『小説推理』誌）に掲載される。1968年、「死んでもカラスしか泣かない」を第3回双葉推理賞に投稿するが、最終候補には残らなかった。「湖畔に死す」を『推理ストーリー』11月号に発表。同作を大幅に加筆・改稿し長編化したものが最後の作品となった『三幕の殺意』である。1969年、「急行しろやま」で第4回双葉推理賞を受賞。

1971年、「そして死が訪れる」で第17回江戸川乱歩賞の最終候補作に選ばれる。1972年、同作を「模倣の殺意」と改題し双葉社『推理』誌に3回に分けて連載する。1973年、同作が『新人賞殺人事件』と再改題して出版され本格的に小説家デビューする。江戸川乱歩賞にはその後も「空白の近景」（前述の短編とは別作品）と「教習所殺人事件」で二度最終候補になったが、受賞することはできなかった。

1989年、出版社を退職し専業作家になる。それまではほぼ1年に1作のペースだったが、1989年は4作、1990年は4作、1991年は6作、1992年は4作、1993年は4作と旺盛な創作活動を見せた。

2009年6月17日、肺炎のため逝去。

2012年、文教堂が創元推理文庫版『模倣の殺意』を品切れ商品発掘企画の一冊に選んだところ、半年で34万部を超えるヒットとなった。

作者简介

推理作家の氏家周一郎が、知人をたずねて佐渡を訪れたその日、宿泊先のホテルでひとりの女性客が殺された。たまたま同宿ということで事件に巻き込まれた彼は、彼女がホテルのロビーでつぶやいた「あの写真の人だわ」という言葉にヒントを得て、独自の推理を展開していく。だが事件は予想外に錯綜をきわめ、氏家が睨んだ疑惑の人物も殺害され、次いで警察が容疑者とした人物も謎めいた自殺をとげる。限られた登場人物、限られた場所で進行する連続殺人事件の四日間を緻密な手法で構築した長篇本格ミステリーの傑作。

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