万葉集入門

出版社:講談社
出版日期:1965-2
ISBN:9784061154339
作者:久松潜一
页数:219页

内容概要

1894年(明治27年)愛知県生まれ。東京帝国大学文学部卒業、専攻、日本古典文学。第一高等学校、東京大学、慶応義塾大学教授を歴任。文学博士。1976年3月没。
著書に、『日本文学評論史』──至文堂、『近世和歌史』──東京堂、『日本文学史・上下』──弘文堂──など多数あり、多年の業績をまとめた『久松潜一著作集』──至文堂──も刊行されている。

作者简介

自然の偉大な姿を率直に表現し、人間の生きのびる喜び、悲しみ、苦しみを高らかにうたった万葉集は古代から日本人の心にしみこみ、長く親しまれ、愛されてきた不朽の古典である。また、その「ますらおぶり」はたんに文学だけでなく、思想や芸術にもはかりしれないほどの影響を与えつづけてきた。本書は幼いころから万葉に接し、以来50年万葉を研究しつづけてきた斯界の第一人者が人麻呂、赤人、家持、憶良、旅人などの名歌を自由に引用し、歴史、風土、人生観などのさまざまな角度から日本の抒情詩のふるさとを訪ねた意欲の書であり、また万葉をひもとく人々へのもっとも適切な入門書である。
万葉人の愛──万葉時代人の人間的自覚は、人間を愛することと、人間の死を悲しむことに切実に現れています。万葉集の歌の分類が恋の歌などを贈答する相聞、葬式のときにうたう挽歌を2つの主軸として、これ以外の種々の場合を雑歌としているのは、愛と死とが、人間にとって最も重大な点であると考えたからでしょう。万葉時代は、すべてのものを愛するところから出発します。相聞はわれと他人との贈答をさしていますが、その中心となるのは男女の恋愛です。しかしそれだけでなく、親兄弟の贈答の場合も相聞といわれます。この点が古今集以降においては恋愛に限られてしまうのと相違しています。──本書より


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