大黒天変相

出版社:法藏館
出版日期:2002
ISBN:9784831876713
作者:弥永 信美
页数:696ページ页

内容概要

1948年東京生まれ。1969年パリ高等学術院歴史文献学部門日本学科中退。専攻は仏教学(主として中国・日本の文献に基づいた仏教神話研究)。フランス語による仏教語彙辞典『法宝義林』の編集に参加。ヨーロッパ精神史、宗教・神秘思想史など、幅広い評論活動を展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

书籍目录

プロローグ  3
第一部  26
方法論的序説  26
1  仏教神話学の可能性  27
2  神話学の構造主義革命  28
3  仏教神話学のはじまり  30
4  仏教神話学の方法論  33
5  「思考の函数」としての神格  41
6  神話的思考とはどのようなものか  44
7  神話研究の目的  55
8  「知的ブリコラージュ」という方法/引用の形式について  59
第二部  67
I 大黒天信仰の謎  68
1  「大黒」の名前の意味  76
2  ヒンドゥー教におけるマハーカーラ  77
3  シヴァ神とカーリー女神——その概要  80
4  仏教におけるマハーカーラ——はじめの手掛り  85
5  三つの基本的テクスト  87
A 『南海寄帰内法伝』  88
B 『大日経疏』  91
C 『仁王経良賁疏』  94
II 人喰い女鬼と大黒天  101
1  大黒と鬼子母  104
2  鬼子母神神話  106
3  密教経典における大黒と鬼子母の関係  113
4  人喰い女鬼ダーキニー  122
5  パーリ語説話文学における子喰いのカーリー女鬼  127
6  ハーリーティーとカーリー女神/パーンチカとマハーカーラ  129
III 「千人切り」説話と死と再生の儀礼  137
1  『仁王経疏』の摩訶迦羅‐大黒とカルマーシャパーダ王説話  139
2  『賢愚経』のカルマーシャパーダ王説話  141
3  日本の「千人切り」説話  148
4  アングリマーラ降伏譚  151
5  アングリマーラ降伏譚とカルマシャパーダ神話  155
6  清浄太子の翻意(初夜権の濫用・1)  157
7  曠野鬼神の前生譚(初夜権の濫用・2)  159
8  パーリ語の曠野鬼神降伏神話  163
9  古代インドの仏教信仰と「死と再生のイニシエーション」  164
IV 異形の仏弟子たち  173
1  仏弟子マハーカーラ長老  175
A 『長老偈』  175
B  律蔵文献  177
2  墓場の仏教・墓場の宗教  182
3  在家信者マハーカーラとその前生譚  190
4  異常な肥満/異常な痩躯  193
5  空腹/大食の仏弟子——ピンドーラ尊者  197
6  牛神の仏弟子ガヴァーンパティ  206
7  空腹/醜悪な仏弟子たち  209
8  神話モティーフのコンビナトワール  212
V 不浄の神・炎の神  219
1  「大力夜叉」をたずねて  221
2  ウッチュシュマ‐ジャンバラ  224
3  不浄と火の神  227
4  「多淫人」/降伏神  230
5  料理とウッチュシュマ  233
6  出産の守護神ウッチュシュマ  236
7  ウッチュシュマとヴァジュラクマーラ(金剛童児)  239
8  「子喰いの神」  241
A スカンダ  241
B ヤムナー女神  244
9  「すべてを喰い尽くす火炎」——金剛薬叉明王  248
VI インドの宗教思想と仏教神話  261
1  「宗教社会」としてのヒンドゥー世界  263
2  インド宗教思想の原像  269
A 「供犠による秩序」  269
B 「ダルマ体制」の内と外——苦行者の世界  273
C 「信愛の宗教」  277
3  供犠・供犠としての食事・供物の残余  280
4  供犠としての火葬  286
5  「浄/不浄」の彼岸——シヴァ信仰の表象群  287
VII 日本密教の摩訶迦羅天像と盲目のアスラ・アンダカの神話  297
1  日本の大黒天の四つの像容  300
2  忿怒相の摩訶迦羅天——その図像の起源  305
3  「アンダカ・アスラ降伏神話」——インドのマハーカーラ像  312
4  アンダカ・アスラ降伏の図像  319
5  象皮の問題  323
6  「黒羚羊」のテーマ  328
7  パリに渡った摩訶迦羅忿怒像  330
VIII 「鼠毛色」の袋の謎——大黒の袋・1  337
1  大黒と鼠・大黒と俵  340
2  大黒と鼠——江戸時代の学説  343
3  偽書『大黒天神法』の大黒天図像  346
4  『大黒天神法』の著者  348
5  『大黒天神法』の異本と典拠  349
6  大黒と大地女神——毘沙門天と大地女神と鼠  354
7  護国の軍神・兜跋毘沙門——東寺の兜跋毘沙門  359
8  兜跋毘沙門と鼠  361
A 中国唐代の毘沙門軍功譚  361
B 西域の図像  363
9  兜跋毘沙門と袋を持つ侍者  364
10  インドの「クベーラ神話圏」  366
11  クベーラ‐ジャンバラとマングース——「鼠嚢」  370
12  クベーラの袋/大黒の袋  373
IX 兜跋毘沙門の神話と図像  391
1  日本の摩訶迦羅‐大黒天像と兜跋毘沙門の図像  393
2  兜跋毘沙門の文献資料  394
A 足下の大地女神  394
B 雑密文献の批判  397
C 『金光明経』の毘沙門天と他の福神との関連  400
D 「城闍天王」伝説の源流——ホータンの毘沙門天神話  406
E ホータンの毘沙門天と鼠神、大地女神  409
3  ホータンと毘沙門天信仰  412
4  兜跋毘沙門の図像資料  414
A その図像的特徴と作例の歴史  414
B 図像資料から見た兜跋毘沙門と大地女神  419
C 兜跋毘沙門と翼の付いた宝冠——「盗み」のテーマ  425
D 炎の光背——古代イランの「帝王」の観念  430
5  兜跋毘沙門の「未生以前」——クシャーナ王朝下の北西インドへ  435
X クベーラの変貌  443
1  ホータンから「インドの入口」ガンダーラへ  446
2  ヒンドゥー教のクベーラ  448
A クベーラとガネーシャ/クベーラとスカンダ  448
B クベーラとシヴァ  451
C クベーラとインドラ(王権)  453
3  「ガネーシャ的クベーラ」の「スカンダ化」としての兜跋毘沙門  456
4  仏教におけるクベーラ——転輪聖王の隠喩としての四天王  458
5  『金光明経』における二種のクベーラ——転輪聖王の守護神として/富の神として  463
6  クベーラとジャンバラ——その図像  465
7  ガンダーラの守護神としてのパーンチカ/ハーリーティー  467
8  「イラン系パーンチカ/ハーリーティー」——ファロー/アルドクショーの並座像  470
9  インド‐イラン宗教混淆におけるファローとアルドクショー  473
10  「パーンチカ‐ファロー習合体」と中央アジア以東のヴァイシュラヴァナ——兜跋毘沙門の誕生  475
11  インド‐イランの宗教混淆と「クベーラ的大黒」  481
12  「クベーラ的大黒」とシヴァ——シヴァの変貌/大地女神の変貌  483
13  北西インドのシヴァ信仰  486
14  仏教東漸の二つの時期  492
XI ガネーシャの太鼓腹——大黒の袋・2  503
1  西北インドの文化混淆——神話表象の東西交渉  505
2  「日本型」大黒の大袋  508
A 「大袋を担いだ神」の類型論  508
B 近世以来の説明とその限界  511
C 摩訶迦羅忿怒像の背後の象皮  514
3  「鼠と象」——ガネーシャと鼠の神話  516
4  インド宗教における象神信仰の展開  521
5  ガネーシャとマハーカーラ/ガネーシャ(聖天)と巾着  527
6  大黒の袋の中身——大黒の袋と布袋の袋、ガネーシャの太鼓腹  528
7  仏教神話におけるガネーシャの位置(予備的考察)  531
8  聖天信仰と大黒信仰における「大根」  534
9  聖天・大黒・双身毘沙門の儀礼における「浴油供」  537
XII 三面一体の神々——異形の福神たち  545
1  比叡山の守護神「三輪明神=大黒天神」同一説の歴史——中世の暗闇から近世の福神へ  549
2  東寺の守護神・稲荷神の伝説  564
3  「奇神・摩多羅神」の正体  567
4  摩多羅神と人喰いの毘那夜迦の伝説  586
5  「三位一体の神々」——そのヴァリエーションと歴史  593
A 愛染明王・摩多羅神  593
B 三面大黒のヴァリエーション  605
C 弁才天と大黒天  611
6  「多位一体」の神々  613
7  日本から中央アジア、そしてインドへ——「三位一体の神々」の源流  616
XII-A 補説 中世日本密教の「異形性」について  637
——旅の小休止——  651
図版出典一覧  xxxix
索引  人名 i/地名 iv/大正蔵の典拠 viii/大正蔵以外の典拠 xi/
参考文献 xiii/神格名 xxiv/神話モティーフ xxxi

作者简介

破壊神シヴァが福神大黒に変貌し、大地女神は老翁に姿を変える。インドから日本に至る東アジア世界を覆い、国家さえ動かした豊穣なる「仏教神話」。謎に満ちたその領域を、膨大な文献・図像を駆使して切り拓く。


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